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ASMLが2026年売上見通しを€40Bへ上方修正——AI半導体需要が爆発

オランダの半導体製造装置メーカー ASML が、2026年第1四半期(Q1)決算で**売上€88億(約1兆4,000億円)、純利益€28億(約4,500億円)という好決算を叩き出した。粗利益率は53.0%とガイダンス上限を達成。この勢いを受けて、2026年通年の売上見通しを従来の€340億〜€390億から€360億〜€400億(約5兆7,600億〜6兆4,000億円)**へ上方修正した。

背景にあるのは、AI関連のインフラ投資の急拡大だ。データセンター向けの先端ロジック半導体と高帯域メモリ(HBM)の需要が爆発的に増加し、TSMC、Samsung、Intelといった主要顧客が設備投資を加速させている。ASMLのEUV(極端紫外線)リソグラフィ装置は世界で唯一同社だけが製造できる独占的製品であり、この「AI半導体スーパーサイクル」の最大の恩恵を受ける企業と目されている。

一方で、中国向け売上比率が前四半期の36%から19%へ急落するなど、米国の輸出規制強化という地政学リスクも鮮明になっている。本記事では、ASMLのQ1決算の詳細、EUV技術の仕組みと次世代ロードマップ、主要顧客の投資動向、そして日本の半導体産業への影響を多角的に分析する。

ASMLとは何か——半導体製造の「心臓部」を握る唯一の企業

ASMLは1984年にオランダ・エインドホーフェンで設立された半導体製造装置メーカーだ。正式名称は「Advanced Semiconductor Materials Lithography」で、フィリップスの半導体部門からスピンオフした。現在の時価総額は約€3,000億(約48兆円)で、欧州テック企業としてはSAPに次ぐ規模を誇る。

ASMLが製造するのは「リソグラフィ装置」と呼ばれる半導体製造工程の中核機器だ。リソグラフィとは、シリコンウェーハ上に回路パターンを「焼き付ける」工程のことで、写真の現像に似た原理を使う。半導体の微細化(回路の線幅を細くすること)の限界を決めるのがこのリソグラフィ技術であり、ASMLは最先端のEUV(Extreme Ultraviolet:極端紫外線)リソグラフィ装置で世界シェア**100%**という完全独占を実現している。

つまり、世界中のあらゆる先端半導体——Nvidia のAI用GPU、Appleの M シリーズチップ、AMDのデータセンター向けCPU——はすべて、ASMLの装置なしには製造できない。ASMLは文字通り「半導体産業の心臓部」を握る企業なのだ。

Q1 2026決算の詳細——市場予想を上回る好決算

主要財務指標

指標Q1 2026実績Q4 2025実績前年同期比
売上高€88億€91億+32%
純利益€28億€30億+36%
粗利益率53.0%51.7%+4.8pt
EPS(基本)€7.15
新品リソグラフィ出荷台数67台
中古リソグラフィ出荷台数12台
インストールベース管理売上€24.9億

粗利益率53.0%はガイダンスレンジの上限を達成しており、ASMLの価格支配力の強さを改めて示した。特筆すべきはメモリ関連が新規ツール売上の51%を占めた点だ。前四半期の30%から急増しており、AI向けHBM(高帯域メモリ)の需要がいかに爆発的かを物語っている。

通期ガイダンスの上方修正

ASMLは2026年通年の見通しを以下のように引き上げた。

項目修正前修正後
売上高€340億〜€390億€360億〜€400億
粗利益率51%〜53%51%〜53%(据え置き)

この上方修正の幅(約€20億、約3,200億円)は、Q2のガイダンス(€84億〜€90億)と合わせると、下半期にさらなる売上加速が見込まれていることを意味する。CEOのChristophe Fouquet氏は「AIインフラ投資が加速しており、顧客はキャパシティ拡張計画を前倒ししている」と述べた。

以下の図はASMLの年間売上推移と2026年の上方修正後見通しを示している。

ASMLの年間売上高推移と2026年見通し(単位:十億ユーロ)。2021年の€18.6Bから2025年の€33.3Bへ成長し、2026年は€36-40Bへ上方修正された。

この図が示すように、ASMLの売上高は2021年の€186億から2026年見通しの最大€400億へと、わずか5年で2倍以上に成長する軌道にある。この成長率は半導体装置メーカーとしては異例であり、AI需要がいかに巨大かを端的に表している。

受注動向と受注残高

ASMLは2026年Q1から受注額の具体的な開示を取りやめた。これは投資家にとってネガティブサプライズだったが、同社は「受注動向は引き続き非常に力強い」と定性的にコメントしている。2025年末時点のバックログ(受注残高)は**€388億**と、2026年の売上見通し上限に匹敵する規模だ。

この受注残高の厚さは、ASMLが向こう1年以上の売上可視性を持っていることを意味する。半導体装置は発注から納品まで通常12〜18ヶ月かかるため、2026年後半から2027年にかけての売上もほぼ確定的と言える。

EUV/High-NA EUV技術の仕組みと次世代ロードマップ

EUV(極端紫外線)リソグラフィとは

半導体の回路パターンをウェーハに転写するには光を使う。回路が細くなるほど、より波長の短い光が必要になる。従来のDUV(Deep Ultraviolet)リソグラフィは波長193nmの光を使っていたが、EUVは波長13.5nmの光を使用する。波長が約14分の1になることで、はるかに微細な回路パターンを1回の露光で形成できる。

EUV光源の生成方法は驚くべきものだ。高出力レーザーで微小なスズ(Sn)の液滴を毎秒5万回照射し、プラズマ化させてEUV光を発生させる。この光を多層膜ミラーで集光し、マスク(回路パターンの原版)を通してウェーハに照射する。装置内部は高真空に保たれ、10万個以上の部品で構成される。1台あたりの重量は約180トン、コンテナ40台分のサイズという巨大な機械だ。

ASMLリソグラフィ装置の世代比較

装置開口数(NA)解像度対応ノード価格(概算)日本円換算スループット
DUV(ArF液浸)1.3538nm7nm〜€5,000万〜約80億円〜275枚/h
Low-NA EUV(NXE:3800E)0.3313nm5nm〜3nm€1.7億約270億円220枚/h
High-NA EUV(EXE:5200)0.558nm2nm〜1.4nm€3.5億+約560億円+220枚/h
Hyper-NA EUV(開発中)0.755nm1nm以下€7億+(推定)約1,120億円+(推定)未公開

High-NA EUV装置の価格は1台あたり**€3.5億超(約560億円超)。最新の報道では$4億(約640億円)**に達するとの見方もある。これは航空機1機の価格に匹敵し、世界で最も高価な産業機械の一つだ。

High-NA EUVの革新性

2026年Q1は、High-NA EUV(EXE:5200)がプロトタイプ段階から量産製造の中核へと移行した歴史的な四半期となった。High-NA EUVの最大の利点は「マスク削減効果」だ。従来は3枚のマスクが必要だった工程を1枚に削減でき、プロセスステップ数を100から10に減らせるケースもある。これは製造コストと歩留まりの両面で大きなメリットをもたらす。

技術ロードマップを見ると、レジスト(感光材料)パートナーとの協力により、ロジックでは18nmのライン・アンド・スペース、メモリでは28nmのホールサイズまでの対応が可能になる見込みだ。

EUV装置出荷台数の見通し

以下の図はEUV装置の出荷台数推移と今後の見通しを示している。

EUV装置出荷台数推移と見通し。Low-NA EUVは2026年に60台(前年比+25%)、2027年に80台(前年比+33%)を予定。High-NA EUVは2026年に5-10台、2027年に15-20台の出荷を見込む。

この図が示すように、ASMLはLow-NA EUV装置を2026年に少なくとも60台(前年比+25%)、2027年に少なくとも80台(前年比+33%)出荷する計画だ。High-NA EUV装置は2026年に5〜10台、2027年に15〜20台と段階的に拡大し、2028年には年間20台以上の生産体制を目指している。

さらにその先には、開口数0.75の「Hyper-NA EUV」が控えている。これは1nm以下のノードに対応するもので、商用化は2028年以降の見通しだ。ASMLの技術的モートの深さは、この先10年以上にわたって揺らぐ気配がない。

主要顧客の設備投資動向——AI軍拡競争の実態

ASMLの好業績の背景には、主要顧客の積極的な設備投資がある。

主要半導体メーカーの設備投資比較(2026年)

企業2026年設備投資(概算)前年比主な投資先EUVとの関係
TSMC$520億〜$560億+30%以上アリゾナ新工場・台湾2nm最大のEUV顧客、Low-NA/High-NA両方を大量導入
Samsung$350億〜$400億(推定)+15%〜20%平澤HBM工場・2nmロジックHBM4向けにEUV採用拡大
Intel Foundry$250億〜$300億(推定)横ばい〜微増18A/14Aノード開発High-NA EUV早期導入パートナー
SK hynix$150億〜$180億(推定)+20%以上HBM4量産ラインメモリ向けEUV需要の急増の主因

TSMCの設備投資額は**$520億〜$560億**と市場予想の$460億を大幅に上回る。3nmプロセスの生産能力は2027年まで完全に予約済みで、6社以上の大口顧客がSamsungやIntelへのバックアップ発注を検討するほどの逼迫ぶりだ。

特にメモリ分野の変化が顕著だ。ASMLのQ1決算で新規ツール売上の51%がメモリ関連となったのは、SK hynixやSamsungがAI用GPU向けのHBM(高帯域メモリ)生産ラインにEUVを本格導入し始めたためだ。従来、メモリ製造はDUVで十分だったが、HBM4世代ではEUVが不可欠になりつつある。

中国向け売上の急減と地政学リスク

中国売上比率の推移

ASMLの中国向け売上比率は劇的に変化している。

時期中国売上比率背景
2024年通年約47%規制強化前の駆け込み需要
2025年Q436%DUV装置の大量出荷
2026年Q119%米国輸出規制の段階的強化
2026年通年(見通し)約20%年間を通じて低水準で推移

2024年には中国が最大の売上先だったが、わずか1年半で半分以下に縮小した。ASMLのCEO Fouquet氏は「中国顧客の需要は2024〜2025年と比べて大幅に低下する」と明言している。

MATCH Act——DUV装置にまで規制が及ぶ可能性

2026年4月2日、米国議会の超党派議員団が「MATCH Act(Multilateral Alignment of Technology Controls on Hardware Act)」法案を提出した。これは従来のEUV装置規制に加え、ASMLのDUV(Deep Ultraviolet)装置まで中国向け輸出を禁止しようとするものだ。

DUV装置は最先端のEUVと異なり、7nm以上の「成熟ノード」の半導体製造に使われる。中国のSMIC(中芯国際)やHuaweiの半導体製造はこのDUV装置に大きく依存しているため、MATCH Actが成立すれば中国の半導体製造能力に壊滅的な打撃を与える可能性がある。

ASMLにとっても中国市場の喪失は決して小さくない。2024年の中国向け売上は推定€130億以上に達していた。ただし、ASMLの現在の受注残高€388億と、先進国のAI投資急増を考えると、中国市場の縮小を他地域の需要増で十分に相殺できる見通しだ。

中国のレアアース輸出規制による逆リスク

一方、中国側もレアアース(希土類元素)の輸出規制で対抗している。半導体製造装置にはネオジムやサマリウムなど希土類が使われるが、ASMLの財務責任者は「リードタイムが長い製品のため十分な在庫を確保している」と述べ、短期的な影響は限定的との見方を示した。

半導体サプライチェーンの全体像

以下の図は、ASMLを頂点とする半導体リソグラフィのサプライチェーン構造を示している。

半導体リソグラフィ サプライチェーン構造図。ASMLを起点に、TSMC・Samsung・Intel Foundryを経て、AIアクセラレータ・HBM・データセンター向けCPUへと繋がる。日本はRapidus、東京エレクトロン、レーザーテック等が補完的な役割を担う。

この図が示すように、ASMLはサプライチェーンの最上流に位置し、すべての先端半導体メーカーに不可欠な装置を供給している。日本企業も東京エレクトロン(エッチング・CVD)、レーザーテック(マスク検査)、JSR(フォトレジスト)、SUMCO(シリコンウェーハ)など、ASMLと補完関係にある重要な役割を担っている。

日本の半導体産業への影響

Rapidus——ASMLのEUVに命運を賭ける日本の国策企業

日本の半導体復権を担うRapidus(ラピダス)は、2nmプロセスの量産を目指す国策プロジェクトだ。2026年2月に北海道千歳市の「IIM-1」工場でパイロットラインが本格稼働を開始した。Rapidusの2nm製造にはASMLのEUV装置が不可欠であり、日本政府の補助金スキームも実質的にASMLの装置調達と紐づいている。

ASMLは千歳市にオフィスを新設し、技術スタッフ40〜50名を常駐させる計画を発表した。さらに日本国内のメンテナンス人員を2027年までに現在の5倍となる100名に増員する予定だ。これはRapidusの量産フェーズに向けた準備であり、ASMLが日本市場を重要視していることの表れだ。

東京エレクトロンとの関係

東京エレクトロン(TEL)は半導体製造装置で世界第3位のメーカーであり、ASMLとは競合ではなく補完関係にある。TELの主力はエッチング装置、CVD(化学気相成長)装置、コータ/デベロッパ(フォトレジスト塗布・現像装置)であり、ASMLのリソグラフィ装置の前後工程を担う。

ASMLのEUV出荷台数が2026年に60台、2027年に80台と増加すれば、それに比例してTELの装置需要も拡大する。TELの2026年度(2027年3月期)の業績見通しにも、ASMLの好調は直接的なプラス材料だ。

日本の半導体装置メーカーへの波及効果

日本企業主力製品ASMLとの関係AI需要の恩恵
東京エレクトロンエッチング、CVD、コータ/デベロッパEUV前後工程を担当EUV出荷増に比例して需要拡大
レーザーテックEUVマスク検査装置EUVマスクの欠陥検査で世界独占EUV台数増で直接恩恵
SCREEN HDウェーハ洗浄装置後工程で必須先端ノード増産で需要増
SUMCO/信越化学シリコンウェーハ基板材料供給ウェーハ出荷量に直結
JSRフォトレジストEUV用レジスト開発で重要High-NA対応レジストの需要増

日本は半導体「製造」では台湾・韓国に遅れをとったが、「製造装置」と「材料」では世界トップクラスのシェアを持つ。ASMLの好業績は、日本の半導体装置・材料メーカーにとっても追い風となる。

筆者の所感——ASMLの独占的地位はいつまで続くのか

参入障壁の高さは圧倒的

ASMLのEUV独占は、単なるマーケットシェアの問題ではない。EUV装置は約10万点の部品で構成され、光源技術(米Cymer社)、ミラー技術(独Carl Zeiss社)、ステージ精密制御など、数十年かけて積み上げた技術の結晶だ。中国がEUV装置を自主開発しようとしているとの報道もあるが、仮に基本原理を理解できたとしても、量産レベルの信頼性と精度を達成するまでには最低でも10年以上かかるだろう。

筆者が特に注目しているのは、ASMLの「受注残高€388億」という数字だ。これは同社の年間売上の約1年分に相当し、景気変動に対する極めて強いバッファとなる。半導体市場にはシリカルな景気循環があるが、ASMLはその波を受注残高で吸収できる構造を持っている。

AI需要は持続可能か

「AIバブル」を懸念する声はある。しかし筆者は、現在のAI投資は1990年代後半のドットコムバブルとは本質的に異なると見ている。ドットコムバブルの時代、多くの企業は収益モデルが不明確なまま投資を行っていた。一方、現在のAI投資は、Microsoft、Google、Meta、Amazonといったキャッシュフローが潤沢な企業が主導しており、実際にAIが収益化されている事例も増えている。

AWSGoogle Cloudのようなクラウド事業者がAIインフラへの投資を加速させていることは、その裏付けだ。TSMCの3nm生産能力が2027年まで完全予約済みという事実は、AI需要が少なくとも今後2年間は堅調に推移することを示唆している。

地政学リスクの本質

米中半導体戦争の激化は、ASMLにとって短期的にはマイナスだが、長期的にはプラスに作用する可能性がある。中国市場の縮小は売上機会の喪失を意味するが、同時に中国以外の国・地域がAI半導体の自給率を高めるために設備投資を加速させるインセンティブにもなる。米国のCHIPS法、EUのChips Act、日本の半導体戦略——これらすべてがASMLへの需要を押し上げる方向に作用する。

MATCH Actが成立してDUV装置まで中国向け輸出が禁止された場合、ASMLの年間売上に€30億〜€50億の影響が出る可能性はある。しかし、先進国のAI投資拡大を考えると、この影響は1〜2年で吸収されるとみている。

投資家・エンジニアとして見るべきポイント

ASMLの決算が示しているのは、「AIはまだ始まったばかり」ということだ。EUV装置の出荷台数が2026年60台→2027年80台と加速する計画は、半導体メーカーが向こう数年間のAI需要に備えて生産能力を大幅に拡張していることを意味する。半導体産業に関わるエンジニアや投資家にとって、ASMLの動向はAI需要のバロメーターとして最も信頼できる指標の一つだ。

料金情報——EUV装置の価格と投資規模

ASMLの装置は産業機械として世界最高峰の価格帯にある。

装置タイプ単価(概算)日本円換算(1€=160円)比較対象
DUV ArF液浸€5,000万〜€8,000万80億〜128億円大型旅客機1機(約160億円)
Low-NA EUV(NXE:3800E)€1.7億約272億円超高級クルーズ船1隻
High-NA EUV(EXE:5200)€3.5億〜€4億560億〜640億円東京スカイツリー建設費(約650億円)

2026年にASMLがLow-NA EUV装置を60台出荷すると仮定すると、EUV装置だけで年間**約€100億(約1兆6,000億円)**の売上となる。これにHigh-NA EUVやDUV装置、インストールベース管理(保守・アップグレード)の売上が加わり、€360億〜€400億という通年ガイダンスを形成している。

Rapidusのような新規参入ファウンドリにとって、EUV装置の調達コストは事業計画の根幹に関わる。2nm量産ラインにはEUV装置が最低でも10台以上必要とされ、装置費だけで3,000億円以上の投資が必要になる計算だ。日本政府がRapidusに投じている補助金の大部分が装置調達に充てられているのは、こうした事情による。

まとめ——AI時代の半導体投資で押さえるべき3つのアクション

ASMLの2026年Q1決算は、AI半導体需要が「バブル」ではなく「構造的成長」であることを裏付ける内容だった。以下に、読者が今後注目すべき3つのポイントを整理する。

1. AI関連半導体銘柄の投資判断を見直す

ASMLの決算は、半導体サプライチェーン全体の健全性を示す先行指標だ。ASMLが好調であれば、その恩恵はTSMC、東京エレクトロン、レーザーテック、SUMCO、信越化学などに波及する。日本の半導体関連銘柄への投資を検討している場合、ASMLの四半期決算は最も重要なシグナルの一つだ。

2. 地政学リスクをポートフォリオに織り込む

MATCH Actの成否、中国のレアアース規制、台湾有事リスクなど、半導体産業は地政学的リスクが最も高い産業の一つだ。特定の国・地域に過度に依存したポートフォリオは危険であり、日本・米国・欧州にまたがる分散投資が重要になる。

3. AIインフラの恩恵を受けるクラウドサービスを活用する

エンジニアの立場からは、ASMLが支える半導体の進化はクラウドコンピューティングの性能向上とコスト低下に直結する。AWSGoogle CloudのAIサービス(SageMaker、Vertex AIなど)は、こうした最先端半導体の上に構築されている。AIを活用したプロダクト開発やデータ分析に取り組むなら、クラウドAIサービスの最新動向もあわせて追うべきだ。

ASMLの次の注目イベントは、2026年7月予定のQ2決算発表だ。MATCH Actの立法動向と合わせて、AI半導体サプライチェーンの行方を左右する重要な転換点になるだろう。

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