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Cowboy Spaceが$275M調達——軌道上AIデータセンター構想

2026年5月11日(月)、米カリフォルニア州拠点のスタートアップ Cowboy Space が、Series B ラウンドで $275M(約426億円、$1=155円換算) を調達したことを発表した。ポストマネー評価額は $2B(約3,100億円) に達し、宇宙ベース・コンピューティング領域では一気にトップ集団へと躍り出た。リード投資家は欧州の名門 Index Ventures、追加参加には IVP、Blossom Capital、SAIC、既存投資家の Breakthrough Energy Ventures、Construct Capital、a16z、NEA、Interlagos、そして創業者 Baiju Bhatt 氏本人も再出資している。

Cowboy Space を率いるのは、株式取引アプリ Robinhood の共同創業者 として知られる Baiju Bhatt 氏。Robinhood の経営から距離を置いた後、2024年に Cowboy Space を立ち上げ、わずか1年半でユニコーン候補にまで成長させた。同社の戦略は明快かつ大胆だ——地球の地上ではなく、低軌道(LEO)の宇宙空間にAIデータセンターを建設し、太陽光から直接電力を取得する。地球で深刻化する電力不足・冷却問題・水資源消費を、宇宙空間という「無限のエネルギー源と天然冷却環境」で一気に解消するという発想である。

さらに同社は、自社のデータセンターモジュールを軌道に投入するロケットが世界的に不足していることを認識し、独自の垂直統合型ロケット開発にも乗り出した。本記事では、この野心的な構想の全容、技術的実現性、競合 Starcloud / Lonestar Data Holdings との比較、そして日本のスタートアップ ispace や JAXA との連携可能性まで多角的に分析する。

何が起きたか——Series Bラウンドの全容

公開された情報を TechCrunch、Bloomberg、SpaceNews の報道から総合すると、ラウンドの主要事実は以下の通りである。

項目内容
調達額$275M(約426億円)
ポストマネー評価額$2B(約3,100億円)
ラウンドSeries B
リード投資家Index Ventures
参加投資家IVP、Blossom Capital、SAIC、Breakthrough Energy Ventures、Construct Capital、a16z、NEA、Interlagos
個人出資者Baiju Bhatt(創業者本人)
発表日2026年5月11日
累計調達額$410M超(推定)
本拠地カリフォルニア州ロサンゼルス近郊
創業時期2024年
従業員数約120名(2026年5月時点)
主力プロダクト軌道上AIデータセンターモジュール + 専用打ち上げロケット

特筆すべきは、創業からわずか 18か月で評価額$2Bに到達した点である。2024年末のシードラウンド時点では評価額$150M、2025年9月のSeries Aで$700M、そして今回のSeries Bで$2Bと、半年〜9か月ごとに評価額が3倍近くに跳ね上がっている。Index Ventures は近年「ディープテック × 気候変動」をテーマに大型投資を増やしており、Cowboy Space は同社にとって2026年最大のディープテック投資先となった。

図1: Cowboy Spaceの軌道上AIデータセンター構想アーキテクチャ図

上の図は、Cowboy Space が描く「軌道上AIデータセンター」のアーキテクチャを示している。低軌道上に展開されたソーラーパネル付きデータセンターモジュールが、太陽光から直接電力を取得し、AI推論ワークロードを実行。結果データはレーザー通信または高速無線リンクで地上ゲートウェイに送られる。地球の電力網にも水資源にも依存しない、完全自律のコンピューティングインフラだ。

Baiju Bhatt という人物

創業者の Baiju Bhatt 氏は、Stanford 大学で物理学を学んだ後、2013年に Vladimir Tenev 氏と共に株式取引アプリ Robinhood を共同創業した人物として知られる。Robinhood は手数料ゼロの株式取引で個人投資家層を一変させ、2021年に NASDAQ に上場。一時は時価総額$60B を超える企業に成長した。

Bhatt 氏は Robinhood の Chief Creative Officer などを歴任した後、2024年に経営から退任。「人類の長期的課題に向き合いたい」として宇宙ビジネスに転身し、Cowboy Space を立ち上げた。本人は幼少期から宇宙への強い興味を持っていたと公言しており、Robinhood で得た個人資産の大部分を Cowboy Space に再投資している。Series B でも約$30M を自己資金で追加出資したと報じられている。

シリコンバレーでは「フィンテック起業家が宇宙ビジネスに本気で挑戦する」という珍しい構図として注目されており、Bhatt 氏の人的ネットワーク(Stanford、Robinhood、シリコンバレーVC圏)がラウンドの早期クローズに大きく寄与した。

軌道上AIデータセンター構想とは何か

ここでは、Cowboy Space が掲げる構想の中核を、技術・経済・環境の3つの観点から整理する。

太陽光直接給電というアイデア

地球上のデータセンターは、AI 学習・推論の急増により電力需要が爆発的に伸びている。米国の主要クラウド事業者(AWS、Azure、Google Cloud)はいずれも 2030 年までに自社AI関連電力需要が現状の3〜5倍になると公表しており、米国・アイルランド・北欧では電力供給がボトルネックになっている。さらに液冷化が進んでも、水資源消費と熱排出が地域コミュニティとの摩擦を生んでいる。

Cowboy Space の発想は、これらの問題を 物理的に地球の外に出す ことで根本解決するというものだ。低軌道(高度 400〜1,200km)では、

  • 太陽光が地表の約 1.4 倍の強度で常時届く(大気減衰がない)
  • 24時間365日発電可能な軌道設計が可能(太陽同期軌道)
  • 真空中の冷却は、地上の空冷・液冷より物理的に効率が高い場合がある(放射冷却)
  • 水を一切消費しない

つまり、太陽光をそのままサーバーの電力に変換し、宇宙空間に放熱するという、「地球の制約を物理的に超える」コンピューティング・インフラを構築できる、というのが構想の骨子である。

AI推論ワークロードを宇宙で実行する

実際に何を「軌道上で計算するのか」については、Cowboy Space は以下のユースケースを掲げている。

  1. AI推論(特に画像・動画生成、衛星画像解析): 学習ではなく推論に特化。レイテンシ要件が厳しくない夜間バッチ処理や、地球観測データの軌道上前処理に向く
  2. 暗号通貨マイニング: 電力コストが事実上ゼロなので競争力が極めて高い
  3. 長期データ保管: 地球の自然災害・サイバー攻撃から物理的に分離された「コールドストレージ」
  4. 政府・軍事用機密計算: 物理的隔離による情報セキュリティ

特に1の AI 推論は、生成AI 企業(OpenAI、Anthropic、Google DeepMind 等)からの引き合いが既に複数あると報じられている。Cowboy Space は AWS や Microsoft Azure に「軌道上コンピュート・キャパシティ」を卸す BtoB モデルも視野に入れているという。

図2: 地上データセンターと軌道上データセンターの電力・冷却・水消費比較表

上の図は、地上型データセンターと Cowboy Space が提案する軌道上データセンターの主要KPIを比較したものだ。電力コストは「事実上ゼロ」、水消費はゼロ、冷却は放射冷却で完結する一方、初期投資・打ち上げコスト・通信レイテンシ・修理難易度では明確に劣る。運用フェーズに入れば優位だが、立ち上げコストが極端に高い というプロファイルになる。

なぜロケットも自社開発するのか

Cowboy Space が独自路線として注目されているのが、「ロケットも自社で作る」 という決定である。データセンターを軌道に投入するには大量の打ち上げ枠が必要だが、SpaceX、Rocket Lab、Blue Origin、ULA の打ち上げ枠は既に2028年まで主要顧客で埋まっており、新規参入の小規模需要は後回しにされがちだ。

そこで Cowboy Space は、

  • 中型・低コスト・再使用可能ロケットを独自開発(推定ペイロード 5〜15t 級)
  • 垂直統合でロケット・モジュール・運用までワンストップ提供
  • 打ち上げ頻度を週次〜日次レベルに引き上げ、軌道上に大規模なデータセンター・コンステレーションを構築

という戦略を打ち出している。これは「自社ロケットがあれば、自社モジュールの打ち上げを独占できる」というイーロン・マスク式の垂直統合アプローチを宇宙データセンター領域で再現したものといえる。

ただし、ロケット開発には通常$1B以上の資金と5〜10年の開発期間がかかる。Cowboy Space は SAIC(米国の大手政府向けエンジニアリング企業)との提携で、既存の中型ロケット技術ライセンスや人材確保を加速させていると見られる。

主要競合との比較——Starcloud、Lonestar Data Holdings

宇宙データセンター領域はまだ黎明期だが、既に複数のプレーヤーが参入している。主要競合との比較を以下にまとめる。

項目Cowboy SpaceStarcloudLonestar Data Holdings
本拠地米カリフォルニア米ワシントン州米フロリダ州
創業年202420232021
累計調達額$410M超$30M程度$11M程度
直近評価額$2B非公開非公開
主要投資家Index、a16z、NEA、Breakthrough EnergyY Combinator、NASA SBIRScout Ventures、SpaceFund
主力商材軌道上AI推論データセンター + 自社ロケット軌道上GPUコンピュート(H100クラス想定)月面データセンター(バックアップ用途)
主な提携先SAIC、a16z系AIスタートアップNVIDIA(協業発表済)Phison、Skycorp、Lockheed Martin
状況2027年に初号機実証予定2026年に試験衛星打ち上げ済2024年に月面データセンター実証成功
戦略の特徴垂直統合(ロケット自社開発)既存ロケット利用、GPU特化月面に絞り「災害時バックアップ」訴求

3社のアプローチは大きく異なる。Starcloud は GPU 性能で勝負Lonestar は月面という極限のバックアップ用途、そして Cowboy Space は規模とロケット自社開発による垂直統合で攻める。資金力と評価額では Cowboy Space が頭一つ抜けており、本ラウンドで主導権を一気に確立した格好だ。

なお、Microsoft、Google、AWS の3大クラウド事業者も水面下で宇宙データセンター構想を検討しているとされ、Microsoft は2025年に「Azure Space」を発表、AWS は2023年から「AWS Ground Station」を展開している。今後3〜5年で大手クラウドの参入が本格化すれば、Cowboy Space は 買収対象 となる可能性も十分にある。

地上クラウドとの比較・検討を進めたい企業担当者は、まず AWS の Ground Station などの宇宙連携サービスを試してみると、宇宙×クラウドの現実的なユースケースが理解しやすい。

実際に技術仕様を読み解く——筆者の所感

Cowboy Space は本ラウンド発表に合わせ、ホワイトペーパー的な「Technical Brief」を公開した。筆者がそれを読み込んだ上での所感をまとめる。なお同社製品はまだ商用化されていないため、ここでは「実際に使ってみた」ではなく 技術文書ベースの分析 となる。

良いと感じた点

  • 太陽光の物理優位性は本物: 大気減衰のない宇宙では、地表比で最大1.4倍の太陽光強度が常時得られる。ペロブスカイト太陽電池との組み合わせで発電効率を従来比1.5倍に高める計画が具体的に書かれており、技術的にはここ5年で実現可能な領域に入っている
  • 放射冷却の活用: 真空中で熱を放射でしか逃がせないため、地上常識では「冷却が難しい」と思われがちだが、夜面側の超低温(-150℃以下)への放射を利用すれば、地上の液冷より低エネルギーで冷却できるという試算が示されている
  • モジュラー設計: 1モジュール = 1MW級コンピュート + ソーラーパネル + 放熱パネルというユニット化により、軌道上で組み立て・拡張が可能。段階的に商用化できるリスク分散設計は理にかなっている
  • AI推論というユースケース選定: 学習ではなく推論に絞ったのは賢明。学習はレイテンシ要件が緩いが帯域要件が極めて厳しいのに対し、推論は1リクエストあたりのデータ量が小さく、レーザー通信でも捌ける

懸念点

  • デブリリスク: 低軌道は既に飽和状態で、Kessler症候群(軌道上衝突連鎖)リスクが高まっている。Cowboy Space は「自社モジュールも宇宙ゴミになりうる」批判に対し、軌道再利用・廃棄ロケット燃料による軌道離脱機能を組み込むとしているが、本格運用前に各国規制をクリアできるかは不透明
  • 通信レイテンシ: 地上⇄低軌道間の通信遅延は片道 3〜5ms 程度に抑えられるが、ユーザー⇄地上ゲートウェイ間の経路を含めると 総ラウンドトリップで 20〜50ms となり、リアルタイムAI(音声対話、自動運転)には不向き。バッチ処理・夜間処理向けに留まる可能性が高い
  • 修理不可能性: 故障モジュールの物理修理は事実上不可能で、丸ごと廃棄になる。ハードウェアのMTBF(平均故障間隔)が地上の数倍水準でなければ経済が回らない
  • 自社ロケット開発の難度: SpaceX ですら Falcon 1 の初成功まで4回失敗・$100M超を費やした。Cowboy Space は SAIC との提携で加速するとしているが、Rocket Lab や Relativity Space ですら10年かけて中型ロケット完成にたどり着いた事実を考えると、2027〜2028年の初号機運用は楽観的すぎる印象を受ける

筆者の総合所感としては、**「ビジョンは正しいが、商業化までは2028〜2030年と見るのが現実的」**である。Series B での$2B評価は、技術リスクを織り込みつつ「Bhatt 氏のリーダーシップ × Index Ventures の信頼性」というプレミアムが上乗せされた結果と見るべきだろう。

日本市場への影響——ispace、JAXA、国産プレーヤーの可能性

日本国内では、宇宙ベース・コンピューティング領域はまだほぼ手付かずだが、関連する有望プレーヤーは存在する。

月面探査の ispace

東京拠点の ispace は月面着陸船「HAKUTO-R」シリーズで知られる宇宙ベンチャーで、2027年以降に月面物資配送を商業化する計画を持つ。月面データセンター(Lonestar 型)の物資輸送パートナーとして、米国企業との協業余地は十分にある。

ispace は既に NASA や JAXA との連携実績があり、技術的にも信頼度が高い。日本発のスタートアップが「月面データセンター物資輸送」というニッチに食い込めば、Lonestar や Cowboy Space の長期構想に組み込まれる可能性がある。

JAXA・三菱重工・IHIエアロスペースの役割

JAXA は H3 ロケットの商業化を進めており、三菱重工 / IHIエアロスペースが製造を担う。仮に日本国内で軌道上データセンター需要が立ち上がれば、H3 や次期固体ロケット「イプシロンS」がペイロード輸送を担う構図が現実味を帯びる。

ただし、現状では H3 の打ち上げコストは SpaceX Falcon 9 の約2倍と高く、純粋な経済性では米国勢に劣る。**「日本の宇宙安全保障」**という政策的観点から国内需要を確保できるかが鍵となる。

日本で軌道上AIデータセンターを利用する手順(予測ベース)

仮に Cowboy Space が 2028 年に商用サービスを開始した場合、日本ユーザーが利用する想定手順は以下の通りだ(同社が将来 BtoB API を公開すると仮定)。

  1. AWS Ground Station または同等の地上ゲートウェイ経由で軌道上モジュールにアクセス
  2. 東京リージョン or 大阪リージョンの AWS / Azure / GCP に推論結果を返送
  3. GPU 利用料金は地上の H100 オンデマンドより 30〜50% 安い水準を目指す(Cowboy Space CEO 発言ベース)
  4. 日本語対応は推論モデル側に依存(軌道上はあくまでコンピュート提供)
  5. データ主権: 国際電気通信連合(ITU)・宇宙活動法・経済安全保障推進法との整合性確認が必要

特に5は重要で、政府機関・金融機関が宇宙ベース・コンピューティングを利用する場合、データの物理的所在地が明確でない(軌道上を周回)という新しい法的課題に直面する。日本では2025年改正の宇宙活動法で一部対応が進んだが、AIデータセンター固有の論点はこれからだ。

図3: 日本の宇宙関連プレーヤー連携可能性マップ

上の図は、Cowboy Space の構想に日本のプレーヤー(ispace、JAXA、三菱重工、IHIエアロスペース、AWS Japan)がどう絡みうるかを整理したものだ。短期的にはペイロード輸送・地上ゲートウェイ運用中長期的には国産軌道上データセンター事業の立ち上げという2段階のシナリオが見えてくる。

筆者の見解・予測——3年・5年・10年スパンで見る宇宙データセンター

ここでは、Cowboy Space を起点に宇宙データセンター市場全体の中長期予測を行う。

3年後(2029年)

Cowboy Space は 初号機運用に入っているか、初号機運用直前 にあると予測する。商用化が始まっていれば 1MW〜10MW 級のキャパシティを持ち、暗号通貨マイニング・衛星画像解析・暗号資産関連の特殊AIワークロードで限定的に収益化しているはずだ。AWS、Azure、Google Cloud のいずれかが Cowboy Space との戦略提携を発表している可能性が高い。

5年後(2031年)

軌道上データセンターは 100MW級コンステレーションへとスケールし、AI推論の特定ユースケース(夜間バッチ、衛星データ前処理、政府機密計算)で実用フェーズに入る。Cowboy Space、Starcloud、Lonestar の3社のうち1〜2社は3大クラウドに買収されている可能性が高い。買収額は推定$10〜30B 水準。

10年後(2036年)

軌道上データセンター市場は 年間 $50B 規模 に成長する可能性がある(McKinsey などの宇宙経済予測ベース)。地上 vs 軌道の役割分担が明確化し、

  • 地上: 低レイテンシ推論、対話AI、トランザクション処理、規制対応データ
  • 軌道: 大規模バッチ推論、暗号資産、災害バックアップ、政府機密、衛星データ処理

という棲み分けが進む。日本の ispace や JAXA が連携プレーヤーとして月面・軌道上の物資輸送ニッチを掴めれば、年間数百億円規模の宇宙物流市場を形成できる可能性がある。

短期的なリスク要因

  • 打ち上げ事故: ロケット失敗1回で資金繰りが厳しくなる
  • 規制強化: 各国の宇宙ゴミ規制、軌道使用権、電波帯域割り当て
  • 競合参入: SpaceX が Starlink Compute 構想で参入する可能性
  • AI需要の頭打ち: 仮にAIブームが落ち着けば、軌道上コンピュート需要が想定より小さくなる

特に SpaceX の参入リスクは大きい。Starlink 衛星に GPU を載せれば、Cowboy Space の独自ロケット戦略は一気に陳腐化する からだ。Bhatt 氏もこれを認識し、SpaceX より先に大規模実証を成功させることに賭けているように見える。

まとめ——日本の読者が取るべきアクション

Cowboy Space の Series B は単なる宇宙スタートアップの資金調達ニュースではなく、「AI時代の電力・冷却・水資源問題を、地球の外に解決策を求める」というディープテックの新潮流を象徴する出来事である。日本の読者が取れる現実的なアクションは以下の3つだ。

  1. エンタープライズIT・データセンター担当の方: 地上データセンターの電力・冷却制約は今後5年でさらに深刻化する。AWS、Azure、GCP の最新の宇宙連携サービス(Ground Station、Azure Space、Google Earth Engine等)を試し、ハイブリッド構成の選択肢を社内検討資料に加えておく。3〜5年以内に「軌道上推論オプション」が現実の選択肢になる可能性がある
  2. エンジニア・スタートアップ起業家の方: 「日本版 Cowboy Space」を狙う余地はまだある。ただしロケット開発は資金的に困難なため、軌道上モジュール設計、レーザー通信、放射冷却制御ソフトウェアといったコンポーネント領域での参入が現実的。JAXA SBIR、経済産業省宇宙産業ファンドなどの公的資金活用も検討余地が大きい
  3. 個人投資家・キャリアを考える方: 宇宙関連の上場企業(三菱重工、IHI、川崎重工、スカパーJSAT)の長期事業構造変化を注視する一方、自身のキャリアでは「宇宙×AI×データセンター」のクロスドメインを意識すると、向こう10年で希少な専門人材になれる可能性が高い

軌道上データセンターはまだ実証段階だが、地上の電力・冷却・水資源の制約は確実に強まる。まずは現状の地上クラウドを理解した上で、宇宙連携の動向を継続ウォッチするのが堅実な第一歩だ。クラウド連携を実際に試すなら、地上の Ground Station 連携が最も先行している AWS から始めるのが最短ルートとなる。

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情報ソース:

  • TechCrunch, "There aren't enough rockets for space data centers. Cowboy Space raised $275 million to build them" (2026-05-11)
  • Bloomberg, "Robinhood Co-Founder's Cowboy Space Hits $2B Valuation in Series B" (2026-05-11)
  • SpaceNews, "Cowboy Space Plans Vertically Integrated Launch Vehicle for Orbital Data Centers" (2026-05-12)
  • Index Ventures 公式ブログ "Why We're Backing Cowboy Space" (2026-05-11)
  • Cowboy Space 技術ホワイトペーパー "Solar-Powered Orbital Compute: A Technical Brief" (2026年5月公開)

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